第20章 狐の手ほどき~後編~(明智光秀)
家臣「信長様、政宗様が・・・」
信長「?入れ」
政宗が信長のもとへ来た。
そこで光秀の姿を見つけると、
怒りに任せて光秀の顔を思いっきり殴った。
光秀「・・・・・・っいきなりの挨拶だな」
政宗「うるせえ。てめえの勝手で面倒みた女を、
てめえの都合で捨てた男を殴って何が悪い」
光秀「何のことだ?」
政宗「とぼけるな!!忍のことだ!!」
光秀「何だ。あれのことか。
使えぬ娘をせめて使える場所に、
出しただけだというのに、
何をそんな怒る必要がある」
政宗「黙れ!!それがあいつを、
泣かせていい理由にはならねえだろうが!!」
信長「ほう・・・?あの娘を泣かせたのか?
それはさすがに俺も見過ごせんな。
光秀・・・貴様あれに何をしたんだ?」
光秀「ただ間者として使うために、
色事の指導をしただけですよ」
信長「さては生娘を仕込むつもりが、
逆にはまったな、貴様・・・」
信長は見透かしたように光秀に言う。
光秀「!!何をおっしゃるのですか・・・」
信長「とぼけるのもいいかげんにしろ。
秀吉相手に俺への忠義心をはぐらかすのは許すが、
好いた女相手への恋心をはぐらかすのは許さん」
信長はぴしゃりと光秀へ言い放つ。