第17章 鬼虎演舞(顕如&武田信玄)
信玄「おっと綺麗な唇が傷つくし、
綺麗な顔が台無しだ。
何か悪いことを言ったのなら謝ろう」
顕如「この御嬢さんは織田の姫、
という言葉をあまり好かんらしい。
触れてやるな、信玄」
信玄「それは本当にすまなかったな。
しかし・・・」
顕如「どうした?」
信玄「安土の鬼姫とはどんな化け物かと思ったら、
案外、噂とはあてにならないんだな」
忍「安土の鬼姫って、
私そんな呼ばれ方、
しているんですか・・・?」
信玄「春日山では少なくともそうなっているな」
忍「・・・実物見てがっかりしましたか?」
信玄「いや全然?俺はむしろ嬉しい。
もっとも謙信のほうはがっかりしそうだが、
まあそれはともかく・・・
顕如を落としたその手管、
ぜひ味見したいものだな」
顕如「何を言っている」
信玄「だって気になるだろ。
修羅の道に染まったかつての友が、
執着する女っていうのは」
顕如「くだらんことをいうな」
信玄の言葉を顕如は一蹴する。