第17章 鬼虎演舞(顕如&武田信玄)
??「いやあ、美しい愛というべきかな」
忍「!?」
顕如「誰だ!?」
二人の逢瀬を邪魔するかのような無粋な声がする。
二人は思わず安土の誰かにでも、
見つかったのかと身構えるが、
現れた男は安土の者ではなかった。
信玄「いやーすごい現場に居合わせたものだな」
顕如「信玄・・・」
信玄「前に遊女屋に誘ったときはつれなかったくせに、
実はいい思いしていたとかずるいな」
顕如「何しにきた?」
忍をかばいながら顕如はそう信玄に問いかけた。
信玄「何。三ツ者から、
お前と安土の姫が会っているって、
情報を聞いて俺の天女に、
手を出されたのかと思って、
慌てて取り戻しにきただけさ」
顕如「なら取り越し苦労だったな。
ここにいるのは信長の寵姫ではない」
信玄「知っているさ。
安土の姫を利用しようとしたお前が、
なぜ織田の本物の姫に肩入れする?
それともそのお姫様はよほどいいのかな?」
忍「・・・っ・・・」
“織田の姫“その言葉に忍は唇を噛む。