第16章 鬼の試練(森蘭丸)
蘭丸「・・・信長様に夜伽を命じられたんだ」
忍「蘭丸が・・・?」
この時代衆道は珍しいものではなかったため、
忍は思わず蘭丸に聞く。
蘭丸「違う。俺が・・・君に・・・夜伽をしてこいと・・・」
蘭丸の一言に忍は目を見開く。
蘭丸「ごめん。でも断ったら、
君のことを信長様は手籠めにするって・・・
断れなかった・・・」
忍「うん・・・守ってくれたんだね。蘭丸。
私なら別によかったのに、
信長様が相手でも」
蘭丸「何で!?」
忍「信長様はきっと私たちを試してるんだと思う。
同じ時期にこの城に入ったし・・・
顕如様に限らず信長様を狙う人はいるから」
蘭丸「うん・・・分かってる」
蘭丸は静かにうなずく。