第16章 鬼の試練(森蘭丸)
忍「私はここに入るとき、
ううん、顕如様のために尽くすと決めた時、
覚悟は決めていたもの。
小姓にはなれないけど、
私には女という武器があるって。
・・・誰とも経験ないのに、
説得力ないけどね」
忍は笑いながら蘭丸にそんなことを言う。
蘭丸「・・・っ」
蘭丸にはその笑顔が眩しくてとても痛々しかった。
忍「そんなわけだし、
蘭丸。無理して、
守ってくれなくてもいいんだよ?
怪しまれるだけだしね?」
蘭丸「ごめん・・・でも今日だけは守らせて?」
蘭丸はそういうと忍に静かに口づける。
忍「ん・・・」
忍も最初は驚いたが、
蘭丸からの口づけを静かに受け入れる。
蘭丸は唇を離す。