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イケメン戦国短編集

第2章 千年巡愛(猿飛佐助)


事後、
俺と忍さんは一糸まとわぬ姿のまま、
褥の上にいた。
戦を終えた俺の愚息はすっかりなえており、
使用済みのゴムはしばってゴミ箱行きになっている。

佐助「俺も五百年とか生きれたらいいんですけどね」
夜伽のたびに俺はそんなことを思う。
謙信様の・・・
春日山の忍びとして生きると決めたあの日に、
後悔はしてはいない。
ただ忍さんと恋仲になり、
彼女が五百年も千年も、
悠久の時を生きていると知ったあの日、
俺の知らない彼女の時間があるという事実、
それだけが俺にはどうしても耐え難かった。
忍さんは、愛するということや、
夜伽の相手はしてくれる。
でも一緒にずっと同じ時を歩むということだけは、
させてくれない。

それが俺が春日山の忍びで、
忍さんが、安土の人間だからなのか、
俺たちと違う時を生きるものだからなのか、
俺には分からない。
でも願わくば、この人が一人ぼっちで
もう生きることがないように、
ずっとこの人の愛する男であるようにと、
そっと祈りながら、俺は彼女の横で眠りにつくのだった。

終わり

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