第12章 交換留学?(顕如の章)
おまけ
(交換留学中の二人の将の話)
信玄「謙信、あの子どうした?」
謙信「あの子?」
信玄「安土の姫のことだ」
謙信「知らん。さすがに仕事以外で、
干渉するわけにいくまい」
信玄「安土からの大事な姫なのにか?」
謙信「俺には関係のないことだ。
それより信玄、お前こそ女を逃がすとは珍しいな」
信玄「俺だって四六時中あの子を見てるわけじゃないしな」
謙信「そういえば信玄知っておるか?」
信玄「何をだ?」
謙信「近頃越後の森で鬼が出るそうだが?」
信玄「まさか!?」
謙信「俺やお前が想像した通りの男が越後にいるとしたら、
お前はどう思う」
信玄「姫が危ないじゃないか」
謙信「ああ、そうだろうな。
あるいはもうすでに出会っているかもしれん」
信玄「・・・っ」
信玄はかつての友と忍の姿を想像し、
こぶしを握り締め、唇をかんでいた。