第10章 交換留学?(謙信の章)
おまけ
交換留学から一足早く帰ったもとい、
忍を謙信が捕えているがゆえに、
自分のみ帰ってこざるを得なかった佐助は、
越後にある春日山城で、
その謙信に小言を言っていた。
佐助「謙信様、
男女の仲にとやかく言いたくはないのですが、
無理やりはいかがかと思います」
謙信「無理やりではない合意の上だ」
佐助「無理やり合意に持ち込んだのでしょう?」
謙信「黙れ」
佐助「この時代には避妊の術がないんですから、
謙信様が制限なしに欲をそそげば、
どうなると思っているんですか?」
謙信「避妊の術とはなんだ?」
佐助「五百年後にはゴムという子供を、
授からないようにするものがあるんです」
謙信「分からぬな。俺のものにするつもりなのだから、
子ができるぐらい何の問題もなかろう」
佐助の小言に謙信はしれっと答える。
そんな謙信の横で、
忍は気を失っていた。
布団は肩までしっかりとかけられているため、
佐助にその裸体を拝まれることはなかったが、
部屋中に充満した謙信という雄のにおいと、
忍の首に咲く赤い華が、
否応なく、謙信が働いた狼藉を佐助は理解してしまう。