第2章 千年巡愛(猿飛佐助)
忍「そうじゃ佐助」
佐助「はい?」
忍「こちらにおる間”夜伽”はどうするのじゃ?」
彼女はさも愉快そうに俺に聞いてくる。
俺が五百年前の彼女と付き合っているのを、
彼女は知っているうえでこう聞いてくるのだから、
本当に性質が悪いと思う。
五百年前と姿は多少変わってはいるが、
目の前の彼女はれっきとした俺の彼女である。
そんな彼女にそんなことを聞かれて、
俺が断れないことを知ったうえで、
彼女は毎回聞いてくるのだ。
佐助「できれば・・・」
忍「ふ・・・素直でよろしい。
こっちの世ではアレがあるゆえ、
気にせんでいいぞ」
アレとはまあ、戦国の世にはない避妊具、
俗にいうゴムのことであろう。
一度五百年前の自分によろしくと、
渡されそうになった時は、
本当に俺の中でかなりの修羅場だった。
・・・ちなみに一番の修羅場は、
彼女と付き合いだして初めてそういう感じになった時に、
衆道経験したことあるのかと彼女に好奇心で聞かれた時だ。
先に言っておくが謙信様とかと、
そんなことをしたことは一度もない。
俺は彼女一筋だ。