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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第9章 【リディクラス!!】


 そして先生は行先も告げず、皆を教室の外に出した。こんな授業は初めてで、みんな多かれ少なかれ興奮している。クリスはどんな実地訓練にも対応できるよう、教科書の内容を何度も頭の中で繰り返しながら先生の後について行った。

「着いた、さあ皆ここだよ」

 そこは職員室の扉の真ん前だった。生徒達の殆どはそこに入った事が無い。いったいどんなことをさせられるのだろうと不安になる生徒もいたが、クリス同様、興味津々の生徒もいた。
 ルーピン先生が皆を促して職員室に入らせると、そこにはなんとあのスネイプがいた。スネイプは生徒達が入って来たのを見ると、あからさまに嫌な顔をした。

「ルーピン、ドアは開けたままにしておいてくれ。吾輩、出来れば係わりたくないのでね」
「分かったよ、セブルス」

 今まさにヘドロを飲み込んだような顔をしているスネイプに対して、ルーピン先生は朗らかに笑っていた。スネイプはルーピン先生のわきを通り過ぎる時、わざと生徒達に聞こえる様に囁いた。

「恐らくどの先生方も君に忠告していないと思うので言っておこう。このクラスにいるネビル・ロングボトムには難しい課題を与えない方が良いだろう。お節介焼きのミス・グレンジャーが隣りでコソコソ指図しないなら別だがね」

 先ほどの授業も合わせ、一度ならず二度までもネビルとハーマイオニーを侮辱したこに、クリスは怒りで召喚の杖を握りしめた。しかしルーピン先生はスネイプの忠告などどこ吹く風で、優しい笑顔を向けていた。

「ご忠告どうも、セブルス。でもネビルには今日の授業の
初めに、僕のアシスタントをしてもらおうと思っていてね。きっと上手にやってくれると思っているよ」

 それを聞いて、ネビルの顔がボッと赤くなった。こう言っては何だが、ネビルが優等生ではないことは自身も含めグリフィンドール生の全員が知っている。それなのに、先生はネビルをアシスタントに選んだのだ。スネイプは面白くなさそうな顔をすると、ローブを翻してさっさと職員室を後にした。

「さて、それじゃあ皆こっちに来てごらん」

 先生は部屋の奥にある、教師用のローブ入れる古い洋箪笥の前に招いた。するといきなり洋箪笥がガタガタと震え、
ドーンと大きな音をたてて壁に激突した。それを見て、生徒全員が一斉に後ずさりをした。
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