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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第1章 【The summer vacation ~Ronald~】


「懐かしいなあ、この公園も」
「クリスは何度かここに来た事があるの?」
「小さいころにな。でも父様にばれて、外出禁止を喰らって、それ以来きていない。でも楽しかったなあ……ここでマグルの子達とかくれんんぼをして遊んだんだ。懐かしい……」

 そう言うと、クリスはどこか遠い目をした。そして瞳を閉じて、当時の記憶をしみじみと反芻しているようだった。本当に楽しかったんだろう。たった1回のかくれんぼを、こんな風に思い出すなんて。そんなクリスの幼少期を思うと、なんだか寂しい気持ちになった。

「あ、あそこにアイスクリーム屋さんがある!買って来よう!!」

 突然、クリスが公園内にあるワゴン車を指さした。派手な色のワゴン車には、美味しそうなアイスクリームの絵が描いてある。

「買ってくるから、ちょっと待っててくれ」
「えっ?でもクリス、お金は?」
「大丈夫、グリンゴッツで多少換金してきた」

 悪戯っぽく笑うと、クリスは走ってアイスクリーム屋さんに行ってしまった。取りあえず、ロンは近くのベンチに座ってクリスを待つことにした。
 確かにうだるようなこの暑さ、冷たいアイスクリームがあれば天国だろう。クリスがどんなアイスクリームを買ってくるのかちょっとワクワクしながら待っていると、クリスは両手にダブルのアイスクリームを両手に持って走って帰ってきた。

「片方はバニラとチョコミント。もう一つはバニラとチョコチップ。どっちがいい?」
「えっ?僕の分まで良いの?」
「もちろん!今日付き合ってくれたお礼だ」
「えっと……じゃあ、チョコミントの方」
「OK!」

 そう言って、クリスはバニラとチョコミントのアイスクリームをロンに手渡した。そして自分もロンの隣に腰掛けると、満足げな顔でアイスクリームを食べ始めた。

「凄いだろう、アイスクリーム屋さんが、『私が可愛いから』って、シングルをダブルにしてくれたんだ!やっぱりマグルの人は優しいな!」
「うーん……そ、そうだね」

 いつもなら自分の容姿について自信があるクリスはこんなこと言わないのに、クリスにしてみれば『マグル』と言うだけで皆良い人になってしまうらしい。
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