第7章 【占い学と死神犬】
「君の時間割表おかしい所だらけだぜ!?ほら見ろよ、9時『占い学』そんで9時『マグル学』それだけじゃない!9時『数占い学』だ!!ハーマイオニー、いつから君は自分の体を好きな様に増やせる様になったんだ?」
「お節介どうも。ちゃんとマクゴナガル先生と相談して決めたんだからこれで良いの」
「でも、どうやって3つの教科をいっぺんに受けるんだよ。まさか分身でもするわけじゃないだろう?」
「あのね、さっきも言った通り、私は、きちんと、マクゴナガル先生と、相談して決めたの。分かったら同じ質問は2度としないで」
文句の良い様が無い位、一言一句ハッキリと言い聞かせると、ハーマイオニーは時間割表をカバンの中にしまった。何も言えなくなってしまったロンは、納得がいかない顔をしながら目の前にあったマッシュポテトを頬張った。丁度その時、ロンの背中を大きな手の平がバンッと叩いたので、ロンは口の中のマッシュポテトを吐き出しそうになった。
「よお、お前ぇさん達!今日は天気が良くて良かったな!今日からもう俺の授業が始まるぞ、しかも1番初めの授業はお前ぇさん達だ!!」
声の主、ルビウス・ハグリッドが満面の笑みで現れた。いつも通り茶色のモールスキンの上着を着て、左手にはスカンクの死体をブンブン振り回していた。傍から見てもうかれているのが良く分かる。
「今日は朝5時に起きて、授業の準備をしてたんだ。授業――この俺が先生――ああ、こんなに嬉しい事はねえ!!」
上機嫌で教職員テーブルに行くハグリッドを見ながら、クリスは『魔法生物飼育学』の授業を取らなかったのを、ちょっと後悔した。ハグリッドが先生になると知っていたら、間違いなく授業を選択していたのに。しかし空き時間を作っていたのは正解だった。その時間を全て『闇の魔術に対する防衛術』の勉強にあてれば、きっとハーマイオニーより良い成績が取れるはずだ。いや、今学期は命を懸けてでもハーマイオニーに負けるわけにはいかなかった。良い成績を取れれば、ルーピン先生の好感度も上がるはずだ。そう思うとまた頬がにやけてきた。
「あっ、1時間目は『占い学』の授業だ!早めに行かないと遅刻するよ」
クリスを現実に引き戻すように、ハリーが声をあげた。