第7章 【占い学と死神犬】
「もう駄目だ、完璧に野蛮人だと思われた。こんなんじゃ嫌われてしまう、もうお嫁さんにしてもらえない」
「お嫁さん!?おいおい、君の妄想は一体どこまでいっているんだよ!!」
「ロン、余計なこと言わないの!大丈夫よクリス、これから時間をかけてゆっくり貴女の良い所をアピールしていけば良いのよ」
「ハーマイオニー……やっぱり頼れるのは女友達だな」
「マジかよハーマイオニー!君はクリスとルーピン先生をくっつけるつもりかよ?」
「あら、私はいつだって恋する女の子の見方よ?ただ――教師と生徒っていうのが、ねぇ?」
「そうか、なら私が今すぐ退学すれば良いのか!」
「「「それだけは絶対にダメ!!!」」」
3人の厳しいツッコミに、流石のクリスも言い返す言葉が無く口を閉ざした。仕方なくクリスはまた教科書を読みながら、たまに教職員テーブルにチラリと視線を送っては恥ずかしそうに顔を赤くし、また教科書に視線を戻しては、時々広がる頭の中のお花畑に、緩む頬を隠せないでいた。
そうこうしている内に朝食の時間は過ぎていき、3人が朝食を食べ終わりそうになった頃、テーブルの前の方から今年度の新しい時間割が回ってきた。クリスは早速『闇の魔術に対する防衛術』の授業がないか探したが、残念ながら金曜まで『闇の魔術に対する防衛術』の授業が無かったので、ガックリ肩を落とした。しかし嬉しいことに、今日から早速『マグル学』の授業があったので、少し気分が上向きになった。それにもう1つ新しい学科の『占い学』が始まるので、クリスは今からワクワクしてきた。しかし、この『占い学』というのが、クリス達の新しい頭痛のタネになるとは、この時の4人は知る由もなかった。
「やったわ、今日からもう新しい学科が始まるわ!」
流石はレイブンクロー生を押しのけて学年成績1位の座に輝くハーマイオニー。新しい学科が始まることにクリス以上に喜びを感じている。しかし、いくら学年1位と言えど、ハーマイオニーの時間割にはおかしなところが多々見受けられた。
それはロンがハーマイオニーの時間割を覗き込んでいる時だった。そのしっちゃかめっちゃかな時間割にロンが驚きの声をあげた。