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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第6章 【命短し恋せよ乙女】


   誰もが持ってる未知なる力 そこに秘められたるは未知の道   
  誰もが分からないのなら 私がそれを教えよう それが私の生きる道

     グリフィンドールは勇猛果敢 赤き血潮をたぎらせる
     レイブンクローは洽覧深識 海より深い知識を糧とする
     ハッフルパフは温厚篤実 陽の光をもって輪をみなす
     スリザリンは怜悧狡猾 銀の月夜に蠢く影のごとし

     いずれの道に選ばれようと 進む道は己が次第
     だから怯えず進みたもう 道は既に開かれたり

 組み分け帽子の唄が終わると、ワッと割れんばかりの拍手が巻き起こった。その拍手が終わると同時に、フリットウィック先生がABC順に新入生の名前を呼び始めた。

「アビントン・アーロン!」

 そばかすだらけの金髪の男の子が、新入生たちの中から飛び出してきてスツールに座った。そしてフリットウィック先生がアビントンの頭に組み分け帽子をかぶせると、組み分け帽子は大きな声で『ハッフルパフッ!』と叫んだ。するとハッフルパフのテーブルから、盛大な拍手がアビントンに送られた。

「へ~、組み分け帽子の唄って僕らの時と違うね」
「そうか、去年は居なかったからロンは知らないのか。組み分け帽子の唄って毎年違うらしいぞ」

 そう言いながら、クリスは好奇心いっぱいの目で組み分けを見ていた。去年もそうだが、組み分けはいつ見ても胸がわくわくする。しかし隣りのロンは、組み分けよりもその後に控えてる宴会の料理の方が気になっているようだった。たまにチラチラと何ものせられていない金色の皿を見ては、グーッとなるお腹をおさえてそわそわしていた。

 そしていよいよお待ちかね、最後の生徒の組み分けが終わった時、ちょうど見計らったようにハリーとハーマイオニーが目立たないように身をかがめてクリス達の隣りに座った。組み分けを見損ねて、ハーマイオニーはがっかりしたようにため息をついた。

「あ~ぁ、今年の組み分け見損ねちゃった」
「そんな事より2人とも、いったい何だったんだ?」
「後で話すよ」
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