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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第5章 【second contact】


「さて、着いたぞ。我々は大所帯だから、2人づつ行こう。まずはハリーと私の2人だ」

 そう言ってカートを探してくると、ウィーズリー氏は荷物を乗せ、ハリーに目配せしながら何気ない素振りで9と3/4番線に入っていった。次にクリスとハーマイオニーの番になった。2人でおしゃべりしながらスッと9と3/4番線を通り抜けた。

 するともう列車には何人もの生徒が列車に乗り込んでいて、家族との別れを惜しんでいたり、2か月ぶりに会う友人との再会を喜んでいた。出発まで20分もあると言うのに、ホームはもう人でごった返していた。
 ようやく最後尾の方に人の少ないコンパートメントを見つけると、そこにハリー・ロン・ハーマイオニー・クリスは荷物を積み込んだ。最後にクリスが指笛で#NAM4E#を呼ぶと、空の向こうから黒い点が見え、それがだんだんと大きくなってきたと思うと、1羽の大ガラスに変わり、クリスの腕にしっかりとつかまった。

「よしよし、お前は良い子だ」
「けっ、ハーマイオニーの猫もこれくらい行儀が良ければいいのにね」
「何よ!そっちのネズミだって、くたびれたたわしみたいじゃない!」
「2人とも、下らない喧嘩はそれまで」

 ヘドウィグという超・一流のペットを持っているハリーに言われては、何も言えないロンとハーマイオニーはやっと口論を止めた。それからハリーとハーマイオニーとクリスは荷物棚にそれぞれのペットを乗せると、最後にお世話になったウィーズリー夫妻にさよならを言った。

「ウィーズリーさん、お世話になりました。突然だったのにありがとう御座います」
「いいのよ、気にしないで。それよりあなたはもっと食べる事。じゃないと骨と皮だけになってしまうわ」

 そう言って、ウィーズリー夫人はクリスをハグすると、カバンから大きなサンドウィッチを取り出した。チャンドラーが作った豪勢なサンドウィッチと違い、質素なサンドウィッチだったが、家族の分だけでなくクリスの分も作ってくれたことが、彼女にとって何よりもうれしかった。クリスはもう一度ウィーズリー夫人にぎゅっと抱きついた。

「本当に、ありがとう御座いました……」
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