第27章 【本領発揮】
他にもいつも以上に勉強が必要な人達がいた。その中に、あのフレッドとジョージが含まれていた。フレッドとジョージはO・W・L(ふくろう)試験と言う標準魔法レベルの試験勉強をしなければならなかった。それに、ハーマイオニーと同じくらい勉強をしていた人物がいた。他の誰でもない、パーシーだ。
パーシーはN・E・W・T(いもり)試験と言うメチャメチャ疲れる魔法テストというホグワーツ校が誇る最高レベルの資格テストを受ける為、日夜努力していた。おまけにパーシーは魔法省に就職希望だった為、テストを高得点でパスしなければならなかった。その所為で、談話室で騒いでいる者がいたら誰彼構わず減点の対象とした。
それでも、ハーマイオニーよりはマシだった。ハーマイオニーは日に日にとげとげしくなり、ハリーもロンもクリスも用がある時以外はハーマイオニーに近づかないようにしていた。
しかしある日の午後、談話室で試験勉強をしていると、ヘドウィグが嘴にしっかりと手紙をくわえてやって来た。
「ハグリッドからだ!」
ハリーは手紙を開くと、気づかわしげにチラリとハーマイオニーの方を見た。
「あの……ハーマイオニー、今良い?ハグリッドから手紙が届いたんだけど……」
「ええ、良いわよ。読んで頂戴」
ハーマイオニーは勉強しながら内容を聞くつもりだ。よくそんな器用なことが出来ると思わず感心してしまう。ハリーは恐る恐る手紙を読んだ。
「えーっと、ハリーへ。バックビークの控訴裁判の日が決まった。今月の6日だ――」
「ちょうど試験が終わる日だわ」
「うん、それから――控訴裁判の日に、魔法省と理事会から何人か来るらしい。それと……死刑執行人が来るって」
「控訴に死刑執行人が来るなんて聞いた事ないよ!それじゃあ結果は決まったも同然じゃないか!!」
「うーん……そう、みたい」
「そうみたい、じゃないよ!僕とクリスでどれだけ苦労してクソ分厚い本を読み漁ったと思ってるんだよ!それを全部水の泡にさせる気かよ!!」
「委員会のクソジジイどもめ、腐ってやがるな」
いや、恐らく一番腐っているのは他の誰でもない、ドラコとその父親のルシウスおじ様だ。ドラコはクディッチでハリーに負けた事を根に持って、バックビークを処刑するよう差し向けたに決まっている。