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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第26章 【クィディッチ優勝杯】


 それから自分が食べるのも忘れて、選手達のお皿に次々と朝食を乗せて回っていた。そしてそれを食べきらない内に「試合前に少しでもフィールドの状態を確認しておくぞ」と言って、ハリーや他の選手を引っ張って大広間を後にした。それを見て、クリスは「絶対何があってもウッドの様なクディッチ馬鹿とは付き合えないな」と思った。

 そしてとうとう試合開始の時間が迫って来た。クリスはラベンダーから応援用の赤い薔薇飾りを受け取り、皆と同じように胸に付けた。シェーマスは昨日作っていた「優勝杯をこの手に!!」と描かれたライオンのシンボルが入った横断幕を力いっぱい振っていた。
 他の生徒も「勝てグリイフィンドール!!」と描いてある横断幕をこれでもかと言わんばかりに振っている。反対側のスリザリンの応援席では、200名近い生徒がお揃いの緑のローブを着て、スリザリン寮のシンボルである銀色の蛇が描かれた横断幕を下げている。スネイプは応援席の一番前でいつもの様な不敵な笑みを浮かべていた。

「さあ、選手たちの入場ですっ!!」

 実況解説のリー・ジョーダンが魔法で拡声されたマイクで両チームの選手が現れたのを伝えた。すると応援席からはワッと割れんばかりの歓声が上がった。グリフィンドールの入場席からはウッドを先頭に、アリシア、アンジェリーナ、ケイティ、フレッド、ジョージ、そして最後にハリーが姿を現した。

「頑張れー、ハリーッ!!」

 ロンが声を張り上げたが、全部歓声によってかき消された。クリスはあまりクディッチの応援に顔を出したことは無いが、それでもこの盛り上がりは異常だと思い知らされた。
 両チームのキャプテン同士が握手をして、みんな箒にまたがった。そしてフーチ先生のホイッスルの音と同時に、試合が開始された。

「試合、開始ぃーー!!」

 リーの声がグラウンド全体に広がった。ハーマイオニーは双眼鏡を取り出し、試合をじっくりと見つめている。ロンはとにかく声援を送っていたが、全部他の声援に紛れて聞こえなかった。聞こえるものは、精々リーの実況だけだ。

「さあ、試合はグリフィンドールからの攻撃です!アリシア選手、クアッフルを持って鮮やかにスリザリン選手を交わしてゴールへと飛んでいく!いくか?いくか?――あー、駄目だった、クアッフルがワリントンに奪われた!」
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