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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第26章 【クィディッチ優勝杯】


「ハグリッドがもうちょっとしっかりしてくれれば、最初の裁判の時に勝てたかもしれないのに……」
「いや、無理なんじゃないか?相手はあのマルフォイの父親だぜ、どんなにハグリッドがしっかりしていても、相手が悪すぎるって」
「んー……それは確かにあるかもしれん」

 こう言っては何だが、ドラコの父、ルシウス・マルフォイはかなりあくどい性格をしている。目的を達成する為には手段を択ばない人だ。そしてその性格は、はっきりと息子であるドラコに受け継がれている。この2人がタッグを組めば、白いものだって黒くなってしまうのが現状だ。

 現にドラコは治り切っている腕の傷を「まだ傷がうずく」と言って試合を延期させたことがある。ルシウスおじ様も、ハグリッドの事を初めからよく思っておらず、教職についている事を快く思っていないのは明白だ。だから委員会を脅させてバックビークを処刑させようと企んでいるのだろう。
 13年間世話になっている人を悪く思うのは、クリスとしては心が痛んだ。しかしバックビークが処刑されると思うともっと心が痛む。
 仕方なく、クリスは今読んでいたヒッポグリフの生態について書かれている本を読み直した。少しでも控訴の役に立つなら頑張ろうと心を入れ替えた。しかし――本当にルシウスおじ様相手に控訴が通るだろうか、はなはだ疑問だった。

* * *

 グリフィンドール対スリザリン戦が近づくにつれ、両生徒の間で緊張が高まって来た。スリザリン生はますますグリフィンドール生を目の敵にし、特にハリーを怪我させてやろうと、廊下を曲がる度に誰かがハリーの足を引っ掻けて転ば様と潜んでいた。その為ハリーはいつも大勢のグリフィンドール生に囲まれて教室を移動していた。
 特にドラコはハリーをいつもの10倍は憎しみを込めた目で睨みつけ、グラップとゴイルに命令して、ハリーを襲わせようとしていた。しかしハリーにはいつも大勢の護衛がついていたので、そのチャンスは1度も訪れなかった。
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