第19章 【お節介焼きのハーマイオニー】
それでも、ハリー、ロン、ハーマイオニー、クリスの熱は冷めやらなかった。こうなったら正攻法だ、と何日も図書館に通っては役立ちそうな本を借りて読みふけり、時には意見を交わし、どうにかしてバックビークを無罪放免にしてやりたかった。その合間合間に、クリスは隙を見てはルーピン先生にあげるマフラーを編んでいった。
そしてクリスマス・イブの日、遂にマフラーが完成した。予想よりはるかに遅くなってしまったが、それでもなんとかクリスマスまでには完成することが出来た。出来上がったマフラーを、クリスは3人に見せて意見を仰いだ。皆初めてにしては良く出来ていると言ってくれた。これならルーピン先生にあげても恥ずかしくない。
クリスはあらかじめ用意しておいたカードにメッセージを書き込むと、赤いラッピングに緑のリボンをつけた。後は、いつ先生に渡すかが問題だ。クリスマスが明けてからあげても、なんか味気無いし、かと言って先生がどこに住んでいるかも知らない。初めはネサラに頼もうかとも思ったが、どうせ苦労したなら直接渡して、喜ぶ先生の顔が見たい。色々考えた結果、クリスは休暇明けに先生に直接渡すことにした。
そして次の日のクリスマス。クリスはネサラに突き起こされた。こんな風にネサラに起こされたのは初めてだ。痛いような、くすぐったい様な感じだった。目を覚ますと、ベッドのわきにクリスマス・プレゼントが山の様に積んであった。
マルフォイ家からは、おじ様、おば様別々にプレゼントを贈ってくれた。おじ様からはダイアモンドが豪華にちりばめられたネックレス。おば様からは綺麗なガラス細工の置物。ドラコからも贈り物があったが、クリスはあえてそれを無視した。
そしてチャンドラーからは、イチゴのホールケーキと山の様な砂糖菓子の詰め合わせ。それから刺繍の入ったレースのハンカチ。父からは新しい懐中時計と豪華な花束。それからウィーズリー夫妻からは、使い古されて動かなくなったラジコンと、手編みのセーター。そしてもう1つ、見知らぬ四角い箱があった。
「……なんだろう、これ?」