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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第19章 【お節介焼きのハーマイオニー】


「大丈夫?もうお昼よ。私達ったらいつの間にか談話室で眠っていて、ローブだけ残して貴女だけいないんだもの。心配したわ」
「悪いな、手紙を書き終えてルーピン先生にあげるマフラーを編んでいたら、つい眠ってしまったんだ」
「そう言えば、マフラーはどこまで進んだの?」

 クリスは編みかけのマフラーを、自慢げに広げて見せた。マフラーは最高級の毛糸を使っているだけあって、柔らかく手触りが良い。形も、全くの素人が編んだにしては上出来だ。長さもあと少し編んで、後はふさを付ければ完成だ。

「どうだ?」
「素敵じゃない!これならルーピン先生も喜んでくれるわ」
「そう、だな……あーぁ、これでルーピン先生が、クリスマスにホグワーツに残っていてくれれば良かったんだけどな」
「そっ、それは仕方ないわ。先生には、先生のご都合と言うものがあるもの!」

 ハーマイオニーは何故か慌てているようだったが、クリスは特に追及しなかった。それから昼食を取りに大広間に行くと、もうハリーとロンが席に座ってキドニー・パイを食べていた。ハリーはクリスの顔を見ると「ローブをありがとう」と明るい声で言った。もうハリーはシリウス・ブラックを自分で追い詰めようとは思っていない様でクリスは安心した。
 それからハーマイオニーとクリスも席に着き、クリスは濃いミルクティーを砂糖をたっぷり入れて飲んだ。するとバタービール程ではないが、身体が芯から温まり、頭がすっきりする気がした。
 食事が終わると、皆で図書館に行って、また本を借りてから談話室に戻った。今や談話室は『バックビーク釈放団体』のアジトと化していた。羊皮紙には手掛かりになりそうな記事の走り書きや、年表をまとめたものが散乱している。本は何十冊と積み上げられ、ぐらぐらと倒れそうになっていた。

 そんな日が何日続いただろうか、ある日マルフォイ家のコノハズクが、手紙をもってやって来た。そこにはルシウスおじ様から「折角手紙を貰って申し訳ないが、理事会の決定は覆せない」と書いてあった。そして嘘か誠か「勿論クリスも可愛いが、ドラコも可愛いので、ドラコを怪我をさせたヒッポグリフを許すことは出来ない」と書いてあった。
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