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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第17章 【優しい手】


「吾輩の解毒剤が効かんとは……ロングボトム、貴様いったいどんな調合をしたらこんなになるんだ!」
「ひいいいぃぃ、すみません!じっ、自分でも分かりません!」

 丁度その時、授業終了のチャイムが鳴った。ここで問答していても意味がないし、この後の授業もある。スネイプは考えた結果、ネビル唇を引きつらせながらネビルを睨みつけた。

「もう良い!誰かミス・グレインを医務室へ運べ!元に戻す薬は吾輩が作る!!以上、解散!」

 減点されなかっただけマシと言えよう。とにかくこれ以上対策が練られないのなら、黙って従う他ない。ハーマイオニーがクリスを抱き上げると、ハリーとロンに見守られながら教室をでた。

「しっかし、これがクリスの小さい時の姿か~。言っちゃ悪いけど、男の子って言われても不思議じゃないよな」

 ロンの言う通り、3年生になってやっと備わって来た女の子らしさは失われ、それでなくとも中性的だったクリスの容姿が更に中性的になっている。見た感じ、だいたい5~6歳まで縮んでいるようだ。5歳の時、パンジー・パーキンソンが初めて出会ったクリスを男の子と間違えたのも無理はない。

「ロンってば本当に失礼ね。クリスは私をかばってこんな姿になったのよ」
「へ~、入学当初クリスを男と間違えて大ゲンカしたのはどこの誰でしたっけ?」
「そっ……それとこれとは話が別よ」
「まあまあ、2人とも。今はそんな事より早くクリスを医務室に連れて行ってあげようよ」
「その必要はないぞ、ポッター」

 後ろから、聞きなれた傲慢ちきな声がした。そう、クリスがらみでこの男が出てこないわけがない。振り返るとドラコ・マルフォイがいつものように腰ぎんちゃくのクラップとゴイルを連れて立っていた。

「グレンジャー、その汚い手を放せ。クリスは僕らが医務室に連れて行く」
「嫌よ、何の権利があって彼方がそんな事を言うの?」
「権利?はッ、幼馴染兼許嫁として当然の権利だ。高々2、3年の付き合いの貴様らこそそんな事を言う権利はない」
「引っ込んでろマルフォイ!クリスは僕らグリフィンドール寮の生徒だ!スリザリン寮生は大人しく同じスリザリン寮生とだけ絡んでろ!」
「そうだ!首を突っ込んでくるな!!」
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