第48章 君が欲しいからシたことーR18ー(蘭丸)
籠の野苺をひとつ摘み上げる。
「華月様、あーーん」
「え?」
「ほら、口開けて?」
「…え?あ…ぁー」
おずおずと少し開いた唇。
俺は自分の唇に野苺を挟むと、
「ンッ」
口付けしながら華月様の口に野苺を押し入れた。
そのまま舌で追いかけて、華月様の口内で野苺を転がして遊ぶ。
柔らかくなった野苺が潰れた。
「飲み込んで?…うん、そう…
美味しい?」
「な…ん…」
「何で?…それはー……
華月様の事好きだから?」
にーっこり 笑って見せた。
華月様は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして俺を見ている。
「蘭丸君…私のこと……」
「…そう、好きだよ。
華月様が好き、大好きだよ」
そう。
欲しくて欲しくて堪らなかった。
俺だけに笑いかけて、
俺だけのーー……。
ドロドロの独占欲を可愛いと言われる笑顔の奥の奥に隠してたんだ。