第43章 夜の かまくら の楽しみ方ーR18ー(謙信)
常年の雪模様。
(流石、日本海側…)
華月は感心していた。
(毎年毎年、こんなに雪降ってやっぱり大変だよ…)
温暖化の現代よりも雪の量は多い。
春日山城から見下ろす町並みは真っ白で、
町どころか、木々も山も川も全部真っ白。
もう、何度目かの冬の景色なのに、
毎年感心していた。
「佐助君たちとかまくら作ってたんですよ!
謙信様も一緒に作りましょうよ!」
「は?お前、何言ってんだ。
謙信様がかまくらなんて作る訳ねーだろーが」
「あっ!幸村っ、決めつけは良くないよ?
もしかしたら参加してくれるかもしれないじゃない」
「俺はやらん」
「えっ⁉︎」
「ほーらなっ、だから、言ったろ」
「だったら、雪合戦しましょうよ!」
「だったらって何なんだよ⁉︎
かまくら仕上げんのが先だろ」
(いつも通り騒がしい、な)
と以前なら騒がしいだけの人の声だったが、今は楽しげな華月の様子にフッと口角を上げてしまう。
その夜、もう暗くなって。
「謙信様」
提灯を持った華月が庭から謙信を呼んだ。