第42章 貴方への境界線ーR18ー(光秀)
(好き、好き…好き……
私だけにして…
危ない事しないで…
夜は隣りにいて…
ねぇ、ねぇ、ねぇ…お願いっっ…)
そう言いたくても言えない。
それが、快感に
湧いては掻き消されて行く。
「光秀さ……光秀さんっ、もっと…もっと…私を……」
邪魔な思考を快楽が押し出し、流して、
溺れる。
「華月っ…ハッ、ァッ、ッくぅッ」
光秀さんの薄い唇が首筋で振動する。
それだけで、私の心も身体も愛おしさに震えた。
快感の坩堝(るつぼ)に落ち、
甘い睦言しか出てこなくなって、
いつしか声も忘れ、荒い息を吐く…。
ただの女だ。
腕を、脚を絡め縋り付き、
腰を捩り、快感に悶え鳴く。
鳴くことが出来なくなったら…
いつか、
言葉にしても良いですか…
いつか、いつか……
引かれたその線を越えたとしても
貴方は許してくれますか……?
「愛している…お前だけだ……」
枕元で囁かれる愛の告白。
妖しく艶やかな声音が耳元に囁かれる。
浅い眠りを浮上させる、愛しい人の声。
傍から気配が消えても
その愛に囚われ、
貴方の帰りを独り閨で待つ。
いつか、その線を貴方から超えてくれる日を私は待つ。
ー了ー