• テキストサイズ

≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第37章 幼い恋の先(三成)




「…みつ……りさま…お変…りは…ありませんでしたか?」
「はい…貴女が傍に居ない以外は。
順風満帆でしたよ」
微笑む三成を華月は迷い顔で見る。

秀吉に支えつつ織田信長の元にいることは華月も聞き知っていた。
「それは…でも…」
「私の婚姻は取り止めにしてもらいました」
「え?…じゃぁ…」
「お恥ずかしい事に、今も身を固めるには至っておりません」
そうは言っても、三成は困った様子などなくニコニコと笑っている。
「アナタじゃなければ…いつか…そう、
最後の日に、そういわれましたね。
いないと思えば思うほど、貴女への想いは募り、
結局、破談にもって行きました」
秀吉に見出されたのを理由に、
父に反する形で家を出、ついでに、
秀吉を理由に一方的に縁談を断ったのだった。


「それに、私は、あの日、貴女にさよならは言いませんでしたよ」
確かに、三成からは別れの言葉はなかった。

「ですが……」
華月は三成からの言葉があってもなくても別れだと思っていた。
諦めていたから…。


「華月様は、もう、私の事などお忘れになりましたか?
会いたくもありませんでしたか?」
意地悪な問い方だ。

忘れてない、会いたかった、と言わせたい。
言って欲しい。
そんな打算的な言い回し。

(私はあさましいですね…)

三成は内心、苦笑した。






/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp