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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第37章 幼い恋の先(三成)




「それでも…私が初めて愛した方ですから…」
女はその台詞だけは、懐かしさからか、
とても甘やかに心の籠った声音で言った。


そして、女は
燃え落ち、炭になった城跡に背を向けると
辛そうな顔を光秀に見せた。
「光秀様…
三成様の貰われた方は綺麗な方ですか?
三成様は今、幸せでしょうか?」
「気になるか。
それはーー…本人に聞くが良い」
「え?」
「俺からの礼だ」
そう言って向きを変え、去っていく光秀の背と入れ替わりに、木の陰から姿を現したのは藤紫の着物の柔和な青年。

(う、そ……)


「お久しぶりですね。華月様」
溶けるように優しい声音で挨拶をし、
菫紫の瞳を細めた。





光秀の少し後方、林の木陰に居た三成。
『一緒に来い』と言われ、ついて来た。

光秀の立つ先に城跡を見て話す女性の後ろ姿。
小さく聞こえたその声に、三成は耳を疑った。





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