第36章 死に損ないの嫁ぎ先ー後ー(元就)
華月は布団を被って毎晩泣いていた。
(捨てられるんだっ…)
死に往く父母にはついて行けなかった。
両親は私を生かそうとしてくれた。
入水して死のうとしていた私を元就様は助けてくれ、生かしてくれた。
だから、元就様の傍で恩を返そうと決めた。
だから、
(嫁げと言われるほうが…マシだよ…)
嫁げと言われたなら、諦めて、
全部忘れて
いつか、思い出に変えて、
生きることが出来るようになるだろう…
でも、出ていけとは、
(お前なんて何処にでも行ってしまえ…とは傍に置いておく価値もないって、事だ…)
涙が溢れた。
(私は…何の役にも立てないんだ…)
居ても荷物、だから捨てるんだ。
1人になると考えてしまい、
悲しくて悲しくて毎日泣きくれる。
(せめて……)