第32章 春、籠いっぱいの甘味ーR18ー(三成)
「今日は弁当より美味なモノ、
喰って来たんだろ?
良かったな」
私はその言葉に顔が一気に赤くなって黙って俯いてしまった……
のに、
「ハイ!摘みたての野苺は新鮮で美味しいかったです!」
三成くんは、素直に野苺の感想を政宗に答えていた。
「…三成…お前……」
ニコニコと無邪気な笑顔を見せている三成くんは、政宗を蒼い眼をまん丸くさせ、
政宗同様、私の言葉も失わせてしまった。
暫くポカンと三成くんを見ていた政宗が、
「みつ、なりぃ〜、
本当、普段のお前は かっわいいな」
と政宗らしい言葉を残して、笑って歩いて行った。
「普段の私が可愛いってどう言う事でしょう?
どんな私は可愛くないのでしょう…」
(可愛いの所が気になるの?)
三成くんはまたも真剣に頭を捻っている。
(そんなトコロが可愛いんだと思うな)
「明日の、お八つ、楽しみだね!三成くんっ」
「ハイっ」
私は三成くんと笑合った。
ー了ー