• テキストサイズ

≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第31章 春待ちて氷柱落つー後ー(秀吉)





「アレは菖蒲ですかね?杜若ですかね?」
田の向こうの空き地に咲く藍色の花を指差して華月が眼を細める。
「どっちだろうな。
手折って帰るか?」
「ううん、アソコに在るべきだよ、にぃ様」
あの日から少しずつ、華月が戻って来ていた。
気がした。


(在るべき処に在るべき…)

華月はいつもそう言っていた。

(お前の在るべき処は何処だ?)

何度も思ってはその言葉を飲み込んだ。


まだ死にたいか?
兄貴の処に行きたいか?
あの村で住むのがいいのか。
俺は答えを出しあぐねていた。





/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp