第26章 スモモも桃もモモのうちーR18ー(信長)
「ッウッ」
その速さに、男は構えることも出来ず、尻餅を着いた。
そのことに、残る男達が襲いかかって来る。
「ヤロォォッ」「やっちまえぇぇ」
「このやろぉー」
素手で、棒切れで、一斉にかかっても。
「ぐぁぁッ」「ガッ…ゔ…バカ…な」
「ゔゲェッ…ぐっ…う…」「あ"っぐぁ…」
信長は鉄扇一本を巧みに操って、
次々と男を地に這い蹲らせてゆく。
軽やかに身を屈め、躱し、
風を切るように攻撃を繰出し、
あっという間に決着がくつ。
汗もかかない涼しい顔で、
息ひとつ乱さず、余裕の笑で。
「御老人、怪我はないか?」
呆気に取られ喧嘩を見ていた店の老人は、
信長に気遣われて、更に言葉を失っていた。