第26章 スモモも桃もモモのうちーR18ー(信長)
長い梅雨もようやく明けて、
爽やかな暑い夏がやって来た。
信長は馬に跨っていた。
大和(奈良)を経由して紀伊国(和歌山)へ入った。
諸国の視察。
「今回は長旅ですね」
華月も一緒。
「たまには良かろう。
長旅ゆえ、面倒でも貴様を連れて来たのだ。
ククク」
「あー、それはなんか、素直に喜べませんよっ」
華月を揶揄いながら、なかなか退屈しない視察道中だ。
紀伊国は甲賀一揆などの中小の紛争が多く、
農民達が直しても直しても、田畑はまたすぐに荒らされてしまって、農作物を育てる事が困難だった。
それでなくとも、紀伊国は平地が少ない。