第24章 幸村の誕生日
「幸、華月さんから文を預かって来たよ」
幸村が信玄から甘味を取り上げようと闘っていると、スイッと佐助が入ってきた。
「おー、佐助。
俺の天女は息災だったかい?」
「信玄様のではありませんが、息災でしたよ」
と笑った、と思う。
「華月は俺の、ですよっ」
幸村がプウッと頬を膨らませ、信玄に抗議する。
「今は、そうだったなー」
「今は…って…」
「いつか、俺の処に…「行かせねーし」
…それは、それは残念だな。クククッ」
いつものやり取り。
「相変わらず、信玄様は幸村で遊ぶのが好きですね」
「そーなんだよ。幸、可愛いからなぁ」
ギュゥ〜っと幸村を抱き締めて、信玄は技をかける。
「あ"だだだ……ちょっ、痛っ!
あぁっ!饅頭っっ〜‼︎」
甘味をヒョイッとせしめて、口に放る信玄。
そんな暑っ苦しい男達の戯れはしばしば続いた。