第20章 貴方へ贈り物 (三成)
女性の化粧用品は色々ある。らしい。
舶来品ではないけれど、とても珍しいと言われる口紅を見つけた。
紅花(ベニバナ)から特殊な方法で抽出精製された紅で、器に入っている見た目は玉虫色だ。
水を含んだ筆で掬えば 紅くなり、
何度も重ねて塗れば、唇も玉虫色に輝くと言う。
女性だかりの店を ヒョイッと覗くと、
私が商品の様に取り囲まれてしまった。
「「きゃぁぁー三成様❤️」」
「城下へは政務ですの?」
「御用がお済みならお茶でもいかがですか」
口々に掛けられる声を余所に私は尋ねる。
「皆さんは何を見てらっしゃるのですか?」
「とても珍しい化粧紅ですわ」
「でも、お高くてっ…」
化粧は女性の身嗜み?憧れ?
男の私にはピンッときませんが、
頬紅、口紅、爪紅の類いは、装飾品と並んで女性の好きな物のひとつのようです。
「…そうなのですね〜…」