第19章 君へ贈り物 (義元)
「コレ、こうやって使うんだよーー…
ほら、見て。
こうやって…夏の陽射しを防いで……」
陽射しを遮るように掲げた扇子。
その、僕の手に釣られ、
華月が見えない空を見上げる。
ふふふ
(君はどこまでも、真っ直ぐで、甘そうだ)
「チュッ❤️」
頬に口付けた。
「え?っ…ンッ.ン…チュッ…」
目をパチクリさせてる間に、唇を奪った。
周囲に華月の視線が行かないよう、
僕達への周囲の視線をさえぎって、
扇子のコチラは2人だけの世界。
人の視線も、日の陽射しも覆い隠して、
2人だけの秘め事の為に。
こんな扇子の使い方も、
時には、風流でしょ?
チュッ…くちゅ…ン……チュ…
後で、この扇子は君に贈るよ。
クチュ…チュッ、チュ…ん…はっぁ…ぁ…
この口付けが、終わったら ね。
簡単に2人だけの世界を作れる
透けるほど薄く美しい、扇子。
君の為に選んだ贈り物。
ー了ー