第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
スルッと華月の指が俺の頬を撫でた。
熱を持った熱い指だった。
「…ん…はっ、ぁ…け…ん……さ…ぁあん…」
ドクンッ
と何かが疼いたような気がした。
(熱を持った物体が俺を呼んでいる…)
そんな気がする…と思っている間(うち)に、
袴の帯が緩められていた。
この閉鎖された空間で、
愛した女が眠る空間で、
生身の裸の軀と向き合って座っている。
(有り得ない、有ってはならない…)
愛することも、愛されることも、
許されぬ身なのに…。
(愛している…愛したい…心から…)