第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
か弱い女1人守れず、殺してしまった俺はなんと無力で不甲斐なく、ちっぽけで弱いのだろうか……
悔やんだ、恨んだ、怒った、哀しみ弔った。
そしてその時、自分の 生 への執着を捨て、
代わりに他人の生 へ執着し始めたのだ。
自分を殺しても、
自分が死んでも、
他の誰かを生かすこと。
つまらない意地だとしても、
そこに、自分が存在する理由としていたのだ。
そして、その先、
俺の奥、
俺の全てに姫がいた。
(愛したまま、止まってしまっていた…)
もう、最後などナイ。
「お前はずっと…俺の側にいるのだっ。
最後になどさせぬっ、決っして!」