第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
だんだんと、
愚痴、冷めた非難へと変わっていた。
「私とは生きてくれないんですね……。
一緒に生きたい、
一緒に笑い合いたい、と
思っていたのは、私だけだったんだ…」
夢とか希望とか、そんなモノを抱いていたのは私だけ。
(独り善がりだったのかな)
自分に呆れてしまう。
なんだか、恥ずかしくなった。
「私は、謙信様を諦めたくはなかったのに。
謙信様はーー……」
次の言葉が紡げなかった。
自分からは言いたくなかった。
口を噤んで、俯いた。
頭の中では次の言葉がグルグルとリフレインされていた。
(私のことは、心から必要とはしていなかったんですね)
吐き出せず飲み込んだ言葉が、
私の体内を悪くする気がした。