第15章 愛を冷遇する者ー中ー
『華月、辛いだろう。
逃げたければ手を貸してやるよ。
それとも、俺に乗り換えるかい?』
憂いていた私を笑わせながら、
信玄様が言ってくれた。
『もう、アイツの為だとか言わず、
言いたい事を ちゃんと言うべきだ。
いつまでも、我慢することはない。
腹の底をえぐって血を吐いても、
乗り越えられるなら、早くそうすべきだ。
君ならヤツを闇から救い出せると、俺は思っているよ。
ヤツ自身が自ら、解脱すべき事ではあるが、
独りではどうにもならないなら、
愛している君が手伝ってやってくれ』