第10章 君と猫さんとの1日(三成)
「華月さんも、もっと、早く、走ってー…」
「えーっ!私も、全力、だよぉ⁉︎」
2人あれこれ言っている間に猫さんは
「あ"ーっ、ダメ!木に登っちゃっー…」
登ってしまった。
「登ってしまいましたね……」
追いかけっこは猫さんの勝利です。
しかも、突然のゴール…。
私達は弱り顔で木の上の猫さんを見上げる。
「三成くん、どうしよう」
「登りますか?」
「登りますか?って、私が?」
「いえ、そう言う意味ではなくて…」
(やっぱりここは私が登るべきですよね)
「私が…登ってみます…」
自信のなさが声に表れた。