第9章 imitation♡date R18(光秀)
「ねぇ、これって、デートですよね♫」
「ああ、仕事中にお前とデートだ」
ニヤッと笑われた。
「仕事、ですか?」
「極秘任務。
映画かドラマみたいでイイだろ?ククク」
この人が言うとやっぱりリアリティーがなくて、軽い冗談か嘘みたいだ。
俺は今、
そこそこ名のある企業の、未公開株関連のインサイダー取引と着服について社内スパイのような事をしていた。
依頼主はライバル会社の副社長。
「IK社のインサイダーを探ってくれ」
「告発するおつもりですか」
「告発する、か…蹴落とす切り札にするかヤツに恩を売るか……
尻尾を掴んだ時にはどうするか、な」
依頼主はそう言って笑っただけだった。