第7章 叶ワヌ恋ノ行方 R18(信玄)
安土城から逃げるように出て来た。
「…私…」
「あの日の事、かな」
私を気遣ってるような雰囲気を感じた。
「…あの日、
愛した人が祝言を挙げました…。
彼は、私でない人と夫婦になった。
愛し合った私達に
戻りたい、抱かれたい、と思った…
…でもっ、
でも、それはっ、イヤだったっ。
イヤなのに…欲しかった。
彼の愛情が、彼の温もりが。
あの日、心と思考の矛盾に狂いそうだった。
狂ってた……だから…私……
…信玄様に…これ以上……」
自分の愚かさに恥ずかしくなる。
情けなくなる。