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第6章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *伊達政宗ルート*
「……ハナ様」
小声で呼びかける道の声で、ハナは我に返った。
気が付けば、道の案内で政宗の自室前だった。
政宗の部屋の障子は開け放たれたままになっている。
「あっ―――」
その部屋の中に、政宗の姿を見つけたハナは思わず声をあげた。
「ハナ様っしーーーっ!」
道が慌ててハナの口を片手で覆って塞いだ。
ハナは慌てて、そのまま頭を下げるしぐさで謝意を示す。
そして再び、政宗の部屋を見た。
ハナに対して、道が小声で話す。
「昨夜は遅くまで城に詰めておられたようで、お帰りも遅かったのです。あのようなお姿をお見せになることも少ないのですが…ハナ様は幸運でしたね」
くすくすと笑いながら、道はそっとハナを部屋の中へ押しやった。
(え……道さん!?)
「只今、甘味の支度をして参ります。どうぞ召し上がっていってくださいませ。ハナ様、どうぞ……ごゆるりと」
一方的にそう話すと、道は静かに障子を閉め切って行ってしまった。
「ごゆるりとって……どうしろと…っ?」
途方に暮れ、とりあえずその場に静かに正座してみる。
そして、申し訳なさを感じながらも、そっと政宗の様子を伺い見た。
文机に片肘をつきその手に頭を預けた姿勢のまま…
―――…政宗は、静かな寝息を立てていた。