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第4章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *豊臣秀吉ルート*
「御館様……お戯れがすぎるでしょう」
「…ん…秀吉さん?」
秀吉の声に、ハナが目を覚ました。
秀吉は咄嗟に書状を全て囲炉裏に放った。
そうして、囲炉裏を背に隠し、ハナに向き直る。
「悪いな…起こしたか。身体、きつくないか?」
ハナはまだ微睡の中にいるかのように、ふにゃりと蕩けた笑みを浮かべた。
その体に着物をふわりをかけてやり、秀吉はハナの体をそっと抱き寄せ、ハナの頭を優しく撫でた。
ハナは幸せそうに微笑み、秀吉の胸に頬を摺り寄せる。
「ハナ……」
例え、薬に踊らされたのだとしても。
それは結局、きっかけでしかない。
この思いは、確かに、とっくに根付いていたのだから。
秀吉はふっとハナに微笑みかける。
「今まで、ごめんな……俺は嘘つきな兄だったけど……もう、やめるから、聞いてくれ」
涙で少し腫れた瞳ですら、ハナはこんなにも純粋で、美しい。
その瞳を見つめながら、秀吉は湧き上がるほどの幸福を知る。
「ずっとお前を愛してた……妹だって、自分自身に言い聞かせなきゃならないくらいに……でもこれからは、お前を女として……ずっと愛していく」
「―――…私のほうが、愛してるって自信があるよ?」
真っ赤な顔で俯きながらも、そう言って張り合ってくるハナが、情けないくらい愛おしい。
「いーや、俺のほうが愛してる!頼むから、今だけでも、俺を立てろ……な?」
柔らかな湯気の揺蕩う、小さな草庵で。
二人の微笑みが、小さな口付けの音となって、枯山水に潤いを注ぐ。
音は庭に吸い込まれ、二人の幸福の始まりを知る者はいない―――…今はまだ。
ーfinー