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第3章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *石田三成ルート*
―――温かい……なんだか、すごく落ち着く匂いがする。
「……ん……?」
ハナが目を覚ますと、そこはハナの部屋で、褥の上で。
体を見ると、着慣れた夜着を着せられていた。
視線を上げると、そこには三成の穏やかな寝顔―――
その両腕はハナを抱え込むように背中に回されていた。
(三成くんが運んでくれたのかな……)
三成も夜着を着て、静かな寝息の音だけが聞こえる。
ハナはそっと、三成の胸に額を摺り寄せた。
(あったかい……三成くんの匂い、大好き)
三成が付けた一輪の紅い華が自分の胸元に見えた。
ハナは三成を起こさないように、そっとその衿を広げ、自分と同じ場所にちゅっと吸い付いた。
しばらくして唇を離すと、三成の肌に花が咲いたが、それは淡く今にも消えそうな桃色だった。
「あれ…?けっこう、難しいんだ……」
体の気怠さも手伝って、ハナは再び眠気に襲われる。
「三成くんのはくっきり、なのに……ふふ、三成君は、ハンドル握ったら、性格…変わるタイプ……かも」
そうしてまた、すぅすぅと愛らしい寝息を立て始めた。
ハナが寝入った後、三成がすっと目を開けた。
胸元を見ると、ハナのつけた桃色の花は、すでにうっすらと消えかけていた。
「あぁ、もう……」
代わりに目元を真っ赤に染める。
起こさぬよう、愛しい寝顔のその人を優しく胸に抱き寄せ、髪にそっと口付けた。
―――…可愛い貴女をどうしてくれよう。
目を覚ましたら聞かせてあげよう。
華などなくとも、とっくにこの心は貴女のものだと。
それでも、貴女が望むなら。
貴女の体で教えてあげよう。
華を咲かせる方法も。
尽きることなく溢れ続ける、この恋情も―――…
ーfinー