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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第21章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -拾弐-





「生きて…?―――…え、え?」



ハナの瞳に、戸惑いの色が浮かび、その首筋に手が伸びた。




「―――ど、して…傷が、ない…っ?」







「あるわけないでしょ。この短刀、偽物だから」







その声に、光秀とハナが振り返る。
刀身のない短刀の柄を、片手にふらふら遊ばせながら、家康が決まり悪げにこちらを見ていた。
その柄の中から、刀身を引き出して見せる。

「からくり刀、見たことない?まぁ、これは…今回限りの特別製だけど…」

そういうと、刀の先を自分の掌に突き刺した。

「家康っ手が!」
「よく見なよ」

己を案じるハナの声に、呆れたような家康の声。
見れば、その刀身は再び柄に吸い込まれ、中から赤い液体が滴っていた。

「……え、え…?」

混乱の中、ハナが家康の手の中のものと、自分の胸元を見比べる。

「え…じゃあ、この紅いのは…」










「―――…紅蜜華…っ」










光秀が、頭を抱えて呟いた。

「ご名答」

家康の後ろで、政宗がしたり顔で宣もうた。




「良かったな、ハナ。こいつは自分の命より、お前の方が大事なんだと」
「……政宗…っお前の謀か!!?」

にやり、と独眼竜がほくそ笑む。

「半分は、だな。恨みの半分は、てめぇの主君に言いやがれ」

そう言って、政宗の体が脇へと退く。



退いた先に、信長がいた。


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