▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
△▼△ ▼△▼ △▼△ ▼△▼ △▼△
目を覚ましたのは、褥の中だった。
ハナは安土城の自室の褥に、一人で横になっていた。
入口へと視線を移せば、僅かに障子が開いていた。
そこから、煌々とした月光が部屋の中を照らしていた。
ゆっくりと、半身を起こす。
重い体を気怠く摩ると、ちくりと肩に痛みが走った。
身に着けているのは、夜着だった。
痛みのある肩を出してみると、そこには光秀が付けた痕が残っていた。
「…光秀さん…貴方がくれたものは…これだけ…」
その痛みをも慈しむように、そっとハナは肩に手を這わす。
そうして、自身を抱きしめた。
頬を、静かに涙が伝う。
「光秀さん…ごめんなさい…」
「それでも…私は、貴方が―――好きです」
誰にも届くことのない言の葉を、そっと月光の元へと隠した。
ハナの自室の前の廊下に、一人の男の影が佇んでいた。
ハナの隠した言の葉を、男はそっと心に留め置く。
そうして、音もなくその場を去った。
月光に、その白銀の髪が静かに靡いた。
<続章『月華美人』>