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第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
耳元で、光秀が小さく息を吐く音がする。
「お前は…俺を濡らすのが好きなのか」
「温めろといったのは、光秀さんです」
ハナの腕を解こうとしていた光秀の腕が、諦めたようにそこから離れた。
「―――っ!?」
光秀の両腕が、ハナの背中に回り、その体を抱きしめた。
ハナの体が明らかに強張るのを感じ、光秀の口元に小さな笑みが浮かぶ。
「先程までの勢いはどうした?ずいぶん、初心な反応をしてくれる…」
「――…最後と決めたから、です…っ」
「…最後、か」
光秀の声が、小さく笑う。
「…そういうことは、相手の目を見て言うものだ」
ハナの腕の力が、ふっと緩む。
光秀の体が、ハナから離れた。
その手がハナの前髪をかき上げて、互いの額を静かに重ねた。
「…光秀さん?」
これ以上にないほどの至近距離で、黄金色の瞳が見えた。
…ガラスのように、無機質な光を湛えていた。
「…俺からの返答は、わかっているな?」
涙を湛えたハナの瞳は、しかし揺らぐことなく光秀を見つめていた。
言葉にせずとも、ハナの瞳が何より雄弁に語っていた。
光秀の方から視線を外した。
「言わなければ…そんな瞳をせずに済んだものを」
「言わないほうが、つらいことだってあるんですよ?」
光秀の顔に、わずかに疑問の色が浮かぶ。
しかし、その瞳は再びハナを見つめてくれた。
「…傷ついたって、叶わなくたって…」
ハナの手が、光秀の頬を包み込んだ。
「私を見てくれないより、ずっといいから」
「―――小娘」
「私の名前は、ハナですよ?」