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第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
片足を湯船の縁に乗せ、片腕をつき、光秀の端正な顔がハナの上から見下ろしていた。
揺蕩う白い湯気の中、その意地悪な笑みが余計に妖艶さを醸し出す。
ハナの頭の中は、一瞬のうちに真っ白になった。
「っみ、みっ…っ?!(光秀さん!?)」
声を出そうにも、舌が縺れて呂律が回らない。
そんなハナの様を、光秀はさも楽し気に眺めていた。
「なんだ、俺の名を忘れたか?」
「こっ…なっ…っ!?(ここで何を!?)」
「後で行くと言っただろう」
「だ、か…っわ、わわわっ!!(だからって、私がいるのにっ!)」
「湯着を着せられた理由を考えもしなかったのか?」
…それは、不思議に思っていた。
有無を言わせぬ女中達の世話焼きを思い起こし、ハナの顔が、羞恥のために耐えられないほどに赤くなる。
今更ながらに、湯の中で開けかけた湯着を掻き合わせ、すぅっと大きく深呼吸をすると、一気に言い放つ。
「…っもう!いいです!私っもう上がります、から…っ!!」
「なんだ、つれないな。お前が、俺を温めてはくれないのか?」
光秀の顔が、妖艶に笑みを浮かべ、湯着の袷をゆっくり広げて見せる。
「そんな…っ信長様みたいなこと言わないでくだ――っ?」
袷から、その胸元がちらりと覗く。
見てはならないもののような気がして、ハナは咄嗟に目を逸らしかけた。
逸らしかけて、見つけてしまった。
そこには、信長から預かった書状があった。