第3章 そして、春
校舎裏に呼び出してデクに問いただしても何も言わなかった。まさかとは思うが付き合ったりしてんじゃねえかと気が気じゃなかった。まあ、それはありえない。
雄英を受かっただけでも腹立たしいのに。デクは俺をイラつかせる才能でもあんのか。
話が終わり雄英学校を後にすると、家まで送るっつってんのに学校出た瞬間は「また明日」とか言いやがった。デクとは帰んのに俺とはそんなに嫌か。ふざけんな。無理矢理にでも帰ってやる。
結局が今一緒に住んでるおじさんの家の近くまで一緒に帰った。前よりずっと家が離れてしまった。
見慣れない土地を歩きながらいろんな話をした。久しぶりのとの会話なのに、デクの名前を出しやがって胸糞わりぃ。またデクの事かよ。
なんでのことを避けてたのか、やっぱり聞かれたが答えなかった。俺のプライドがそれを許さなかった。1年前の商店街の事件。敵に襲われて、デクが助けようとしてただなんてくっそイライラする。事件のことに聞かれんのがいやで俺は距離をとった。
それに、俺よりずっとと近いところにいるデクにイライラして、その感情が本人にも向いたのもを避けた理由の一つだ。俺がデクに嫉妬しただなんて死んでも口に出さねえけどなっ!!
別れ際、俺はあることを思いついた。と一緒に帰りたいだなんてくそだせぇことを言わずに、一緒に帰る口実を思いついたのだ。
少し遠回りだがどうでもいい。の個性をまた敵が狙ってくるかもしれないなら、俺がそばにいりゃあこいつのことを守れる。敵を討伐したとなりゃ、俺の名前もプロヒーロー事務所まで届くってわけだ。まさに一石二鳥。
デクにだけいい思いなんてさせてたまるか。あいつより絶対俺といる方がも安全だ。俺はあいつより上だってことに証明してやる!!
この1年間すっとモヤモヤしていたものが、スーッと晴れていくのがわかる。久しぶりに学校が楽しみだと思える。明日から毎日学校に行きゃあ、クラスにはがいる。帰りも一緒だ。早く明日になんねえかってがらにもねぇことを考えながら、1人夜道歩くスピードが自然と早まった。