第2章 ラストJC
なんて応えたらいいのかわからず戸惑っていると、大きな掌がぽんと肩に置かれた。
「君は自分の個性と使い方について、もっと理解するべきだ。知るだけでは意味が無い。雄英のヒーロー科で経験を積み、個性の力を身につけていくべきだ。もちろん強制ではないが……」
オールマイトの言っていることはとても的を得ている。個性を持って生まれても、その使い方を知らなければ時に危険に晒される時がある。それに個性を使いこなせれば、救えた命だってあったのだ。それなら答えはひとつしかない。
『私も……私は、雄英に行きたいっ!!』
「そう言ってくれると思った!」
私の返事を聞いて満足気に微笑むオールマイト。常に口角は上がっているけれど、より深く微笑んだように見えた。
常並高校からまだ結果は届いていないが、その辺はオールマイトが上手くやってくれるらしい。
「そうそう、もう1つの提案なんだが…」
『はい』
「私のことはパパって呼んでくれないか?」
『…はい?』
「ご両親と離れた今の君にとって、この提案は無神経かもしれない。でも、だからこそ、今の君には支えになる家族の存在が必要だと思うんだ」
突然何を言い出すんだ、と思ったが、その提案は私のことを思ってのことだった。雄英進学のことだけでなく、ここまでオールマイトは私のことを気にかけてくれている。彼がNO.1ヒーローになるのも納得が良く。
『…わかりました』
「それと、敬語もなしね」
『は……うん、パパ!』
「うーん。いいねえっ!」
お父さん、お母さん。少し複雑だけど、新しい家族ができたよ。知ったらびっくりすると思うけど、あの人気ヒーローのオールマイト。私の命を救ってくれて、歩むべき道を教えてくれる、とても素敵なヒーロー。